2012年8月11日土曜日

第2回 広角で僕が出会っちゃった光景

皆さん今晩は。
長野撮影&レンズレポート第2回目で御座います。

今回主に取り上げるレンズは10-20mm F3.5 EX DC HSM いわゆる広角レンズって奴です。

最近は8-16mm F4.5-5.6 DC HSMという超広角レンズが素晴らしい写りで人気があり、私もSIGMAユーザーさんとのオフ会でお借りして試写した事がありますが、それはもうとんでもなく広角で、このレンズを持っていれば色んなシチュエーションで楽しめるレンズだなと思いました。

Afternoon of holiday
Afternoon of holiday 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM 
2012CP+に行った時にレンズをお借りして、8mmにて撮影。とことんまで構図に悩まさせて戴きました。本当はもっと面白いのがあったんですが、指が写っていたので却下(涙)

で、今回10-20mmレンズに至った経緯は、8-16mmは確かに楽しいんだけど、今まで写した8-16mmの焦点距離を見てみると、何が何でも8mmを試して見たいと思った写真以外は大体10mm以上で撮っていた事が判ってしまったんです。まぁ、これは私の引き出しが小さいのも原因があるのでしょうが。。。でも例えば兼六園で雪吊りの光景を撮ろうとすると18-50mm F2.8の18mmでは気持ちよく収まらないんです。すると広角が欲しい時は必ず有るなと。

で、今回の10-20mm F3.5 EX DC OS HSMと言う事なんですが、広角加減が私的には絶妙な所に有りまして、移動距離10mmにも関わらず画角の変化も周辺部の不要物のカットにも十分に貢献しました。
例えば10mmにすると足下の柵が写り込んでしまう場面も、足を使わずに、ズームする事によって回避出来る事(当然ではありますがw)の便利さがとても身に沁みました。

例えば下の写真。

輪廻の森
輪廻の森 10-20mm F3.5 EX DC HSM 毎年この位置で撮ってます(笑)今回は広角レンズで撮りました。夏季連休に再訪するかもなので、また撮ってみよう。

上の写真の焦点距離は13mmでした。ここは10mmで狙うと手前の柵が写り込んでしまうのですが、少しズームさせる事により柵の写り込みを回避しています。今まで望遠側ばかりのレンズで楽しんできた私にとって、この3mmの差が構図作りにここまで影響してくるのはとても新鮮な体験でした。
使い勝手の部分では鏡筒は大きくないので とても使いやすく、ピントの芯が非常に判りやすいレンズでした。特に広角ではピントの芯が掴み易いと作品作りに大きな力となるのではないかと思います。
余談ですが、前回予告した広角レンズの常識に唖然とした1枚を。
車山高原
車山高原 10-20mm F3.5 EX DC HSM

この写真を撮る時に私は広角レンズの恐ろしさを思い知りました。私は写真中段の優しい山の形に目が行き、この山を広く撮ってみたいと思い10-20mmをセットしました。
所が、ファインダーを覗くと手前の土手が目立つんです(笑)
ここで「はっ」としました。

「広角レンズは横に広く撮れるんだけど、縦にも広く撮れるんだね(汗。)」

当たり前なんですけど、ここで気が付きました(笑)
そして今までの私の視野の狭さに唖然としてしまいました。
幸い気が付いたのが3カ所目でしたので、後の2カ所では広角レンズをもっと楽しもうと心に誓い、他のレンズと共に十二分に堪能してきました。


さて今回の長野撮影行で行った場所は全部で5カ所でした。
御射鹿池→八島湿原→霧ヶ峰湿原植物群落→富士見高原ユリの里→白駒池でした。
位置的には植物群落から白駒池に行った方が近いんですが、霧の白樺ゆり園が撮れるかもしれないという期待から順序を入れ替えました。

また、天候の悪さから前半は積極的に大切なレンズを試す事は濡らしてはいけない・壊したらイカンとオドオドしていましたので積極的にフィールドへ持ち出す事をためらいがちでした。しかし、折角お借りしたレンズ。「受けた御恩は写真で返す」が私の信条だったのを思い出し、後半戦は積極的に持ち出して撮りました。使ってしまった以上、「使用感」が付いてしまうのはその覚悟有ってのものですよね。。。(すいません)


それでは、10-20mm F2.8 EX DC HSMで撮った写真をどんどん紹介致します。
前回も書きましたが、掲載した写真は全てFlickrから引っ張って来ていますので、写真をクリックするとFlickrのサイトに飛びます。今回のイベントの為にPROアカウントにUPグレードしておりますので、写真上方のActionsからView all sizesをクリックして戴きますとフルサイズ鑑賞も可能となっています。

SDIM0860
Lily garden 10-20mm F3.5 EX DC HSM



SDIM0929
Lily garden of white birch 10-20mm F3.5 EX DC HSM


証
証(あかし) 10-20mm F3.5 EX DC HSM

彼の地
彼の地 10-20mm F3.5 EX DC HSM

白駒池
白駒池 10-20mm F3.5 EX DC HSM
レンズ関係のレビューはこんな感じで良かったのか非常に不安ですが、そろそろ夏季連休になります。まだまだ撮影のチャンスが有りますので、しっかりと堪能したいと思っています。
また次回は覚醒すると言う事についてまとめて見たいと思っています。
SIGMAさんはSD1の事を「アーティスティックな感性を覚醒させる」カメラと言われております。
文章に出来るのか非常に不安なんですが(笑) 書いてみたいと思っちゃったのでチャレンジしてみます。。


それでは皆様、良きフォトライフをお過ごし下さい!

2012年8月5日日曜日

第1回 鳥肌天国

皆様こんばんわ。
早速レンズをSIGMAさんよりお借りして撮って来た感想を旅の記録と共に御報告致します。

時は2012/7/21に遡ります。
しばらく続いた晴天は何故か週末になると雨となり、複数の天気サイト情報を毎日チェックする日々が続いていました。7/22日曜日の天気予報は雨。
直前まで行くかどうか迷いに迷い、天気予報が曇りに変わった事を確認して決行を決意しました。
しかし、私の本業の仕事が忙しく長野県の木曽方面をロケハンしてから蓼科に入る計画は崩れ去っていました。

仕事は土曜日14時まで掛かってしまいましたが、事前準備は出来ていたので出発は14:30。
今回の撮影は1人で長野に車中1泊での撮影をします。

東名高速→東海環状道→中央道のゴールデンロード(勝手に命名w)をひた走り、19時前には御射鹿池に到着していました。

御射鹿池は普通の溜め池なんですが、木々の配置・水面反射が美しい池として、さらにはかの巨匠 東山魁夷のモデルとなった池として余りにも有名な池です。

私もここ4年位は毎年訪れている所で、その経験から白樺とその水鏡のクローズアップも楽しいのですが、50mm位で広く撮るにはとても丁度良い場所だという印象を持っていました。
昨年、SIGMA SD1を導入して初の長野撮影の場もこの場所でした。
当時はSD1のポテンシャルの高さを感じていてもどう引き出すかも判らない時でしたので、ただただ撮る事が精一杯でした。
しかし、一年も経てば大体の特性は夜な夜な繰り広げて居た撮影と、その結果から得られたからこそ導入に至った「新しい三脚」、そして基本に忠実にミラーアップ&ケーブルレリーズを行うこと。MFで自らの視覚を最大限に働かせる事によるピント位置への拘りを完全融合させ、SD1本来の力を100%に迫る状態で引き出すことは十分可能なはずだという信念の下、日は落ちかけていましたが条件的には無風であり、撮影を行いました。

50mm F1.4 EX DG HSM
静謐
静謐 50mm F1.4 EX DC HSM
撮影後の現像に於いて、このカットは本当に目を見張りました。木々の一本一本、葉の1枚1枚がこの光景を構成する要素として全て生きていると感じました。昨年撮った時からこんな描写が欲しかったのだと再確認しました。また私の中ではこの写真を作品へと更に昇華させるに足りる条件をクリアした物であるとすぐに判りました。
※写真をクリックするとフリッカーに飛びます。そこではフルサイズでの閲覧も出来ますので是非御覧下さい。

先ずは50mmF1.4 EX DC HSM
私はAFを使わない人ですので他のレンズに関してもAFの正確性に付いて論じる事はできません。また、例えば一般的なカメラでピントが合っていると判断出来るものに範囲が有りそこで合焦を判断しているとしたら、SD1はレンズが解像出来る最終的なピントの点(位置)、「ピントの芯」という物が存在します(と私は思っています)。
高精細且つ、カメラの性能をギリギリまで引き出す為には そこに合わせないと意味がありません。でもそれを判断するのは人の目ですから、レンズの光学性能によって芯を得られ易いか否かが撮った写真にそのまま影響してくる(と思っています)。
まず、MFでピントの芯が判りやすいかどうかという点に於いて、50mm F1.4はとても合わせやすいレンズだと思いました。それはレンズの素性の良さとフォーカスリングの適度なトルク感からくる調整のし易さに起因していると思われます。
そして、AFを使用した場合でもフルタイムMFに対応したレンズですので、AF合焦後にそのままMFでピント調整が出来るという点でAFモードにしておくとある程度の所までピント調整してくれるので、私にとってはMF撮影をアシストしてくれる機能として有効と感じています。

ざわめき
ざわめき 50mmF1.4 EX DG HSM  左上の手前に位置する松葉がとても痛そうに感じます。





APO50-150mm F2.8 EX DC OS HSM
雨音
雨音 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM 50mmで撮影これが本当にズームレンズなのか!?と驚嘆した1枚。森の陰影と立体感がとても良い感じに表現出来ました。

中心分の暗い所の木々の間の部分の描写性も今まで写らなかった所が写っている感じですし、上側の霧に消えていく木々の枝葉と薄くなっていく緑の表情に鳥肌が立ってしまいました。
日暮れ時の撮影であったことでシャッタースピードが遅くなってしまう時間帯でもこの時は無風だっ
たのがとてもラッキーだったのでしょうね。
APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM のレンズの操作性に関しましては、まず小さい所ではAFとMF・OS入切のスイッチがデザイン変更されており、操作性が向上していました。
レンズその物は性能重視で結果大きく、レンズフードを装着するとかなり格好いいです。(笑)
ただ、ズームリングの大きさの割にフォーカスリングは小さいのが気になりました。位置関係もズームリングが前方で、フォーカスリングが手前側となります。MFでのズーム・フォーカスリングの調整はとても細かく微調整が出来、ピントの芯も見付けやすかったです。こちらはAFも出荷状態にもかかわらずほぼ正確と言えるレベルで、フルタイムMFも快適でした。
写りの印象は素晴らしいの一言でした。まずこのレンズがズームレンズであることを忘れさせてくれるだけのクォリティーは所有された瞬間から約束された物となると感じました。 50mm,70mm,105mm,150mmの中で、例えば70mm1本マクロレンズを持っておけば大概のマクロ撮影は出来てしまいますから、それ以外はこのAPO50-150mmOSを持っておけば代用出来るかもしれませんね。

森林
森林 APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM  森林の部位のみをクローズアップしてみました。この一つとして同じ木などない筈なのに均整の取れた木々の集合体はそれだけで存在感を高めている様に感じました。このカットはOS機能をONにして手持ち撮影しました。

このレンズに搭載されたOS機能(手振れ補正機能)を試す為に、手持ちで撮ってみたのが「森林」の写真です。私はAPO150mm F2.8 EX DC OS HSMを持っていまして、OSの効きはとても良くなっている事は経験済みなのですが、他の最新レンズのOSの効き具合も知りたかったので試して見ました。結果的には同等のOSの効きが体感できまして、1/100秒前後ならば三脚がいらないんじゃないかと感じてしまいました。




さて、次回はいよいよ10-20mm F3.5 EX DC HSMも書きます。ある意味広角なんて殆ど撮ってこなかった私がレポート出来るのかと言う感じですが(笑) 撮影中に僕は広角の一般常識を目の当たりにして唖然としてしまう時が有りました。(唖然w)

それではまた次回をお楽しみに。

2012年8月4日土曜日

~プロローグ~旅をするには準備が必要だ。

どーもー。しばらくぶりで御座います。
怒濤の如く、時が過ぎ、既に8月。
暑い日が続いておりますが、どなた様も水分補給を忘れずに楽しいフォトライフを過ごしましょう。

光波
光波 18-50mm EX DC MACRO 7月上旬に新しい三脚を使って撮った近所の橋です。


さて私、6月上旬までは のほほーん と過ごしていたわけで有りますが、
只今絶賛発売中の某製品(車)の部品に絡んでいた影響で6月中旬からは激務の日々(笑)
そして、7月はそれはそれは恐ろしい「役員監査」が入りまして、かなり忙しい日々を過ごしておりました。役員監査を頑張ったご褒美に撮影に行ってくる事を家族に要望し、承認が降り。(笑)

ついでに、三脚を新調致しました。
これは今まで使ってきた三脚が起因と思われるブレがそろそろ容赦出来ないレベルに達して来たことが大きく、どうせ買うならもう買い換えないで済む様な「良い三脚」を買おうと。
で、買った三脚はマンフロットの055CXPRO3と雲台はマンフロット410ギア付きジュニア雲台を購入。
この三脚と雲台の取り合わせは大正解でした。写りが激変しました。
もうカメラとレンズが勝手に進化したんじゃないかと思わせるに足りる費用対効果が有りました。

ここまでを整理すると・・・
・撮影に行ける。(家族よ有り難う)
・撮影環境整備も出来た。(三脚よ有り難う)

ならば次の一手はなにか?




・・・そうです。レンズです。
心置きなく撮影出来て、ブレない三脚も手に入ったら次はレンズだ。(笑)
そこで、普段からお世話になっているシグマさんに初のこちらからの要望の連絡を入れました。
①7月は長野に撮影に行くんです。
②三脚買って、テスト結果も良好。自分が現時点で納得の行く撮影環境を手に入れました。
③凄く言いにくいのですが、あとはレンズなんです。(笑)

「判りましたWEBサイトに写真を提供してくれたお礼にお試し下さい」と御快諾下さいました。
シグマさん、本当に有り難う御座います。

と言うことで今回、株式会社シグマ様よりレンズをお借りする事が出来ましたので、
甚だ簡単では御座いますが、レンズのレビューをしながら写真を紹介していきたいと思います。

今回私が要望したレンズは以下の3本です。何故この3本なのかを説明していきましょう。

10-20mm F3.5 EX DC HSM
僕が持っているレンズでは18mmが一番広角でした。過去にシグマユーザーさんに8-16mmという超広角レンズは借りたことが有りましたその描写は素晴らしいものが有りました。最初はこちらをお借りしようと思っていたんですが、私個人としては8mmはそんなに使用頻度が高くなく、16mm側を使った頻度が多かった事。そして、広角では珍しいF3.5という大口径。これにより広角とボケとの面白い表現が出来るんじゃないかという興味。これが10-20mm F3.5の真骨頂であり敢えてこちらを希望したわけです。

50mm F1.4 EX DG HSM
このレンズはF1.4という大口径による強烈なボケと素晴らしい解像性能を両立されたレンズとして、物凄く気になる存在でした。今年6月に開催した紫陽花オフでは私の家の近所にSD1が3台も揃うという快挙を成し遂げましたが(笑)参加戴いた方がお持ちで、短い時間でしたが試させて戴いておりました。写真自体はお見せ出来るレベルの物では無かったのですが、その描写性能は特筆すべき物が有り、今回の長野撮影では後々に書くことになりますが、どうしてもこのレンズを使ってみたかったんです。

APO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM
このレンズは発売前から前評判が高く、実際発売後も素晴らしい描写をするレンズとしてかなり高い評価を受けているレンズです。
私はAPO MACRO 150mm F2.8 EX DC OS HSMというマクロレンズは持っていますが、それ以下では MACRO 70mm F2.8 EX DG に飛んでしまっています。では私が今まで持っていなかった焦点領域をカバーする事が出来て、フレキシブルな撮影が高画質で出来るのであれば是非とも試して見たいレンズとして気になる存在であったこと。そして何よりも発売したばかりで最新の光学技術が惜しげも無く注ぎ込まれたレンズがSD1と出会ったらどんな写真が撮れるのか?という強烈な興味。

以上3点のレンズの感想を私個人の見方で次回以降、述べて参りたいと思います。